ナチュのこだわりパンができるまで~

ナチュでは小麦の栽培、収穫、製粉、製造、販売。全てを夫婦2人で行っています。小麦の栽培からやっているパン屋はなかなかないかと思いますので「パンができるまで」の工程を以下記していきたいと思います!

小麦を栽培する方が増えてくれたらいいなぁと思っています!

小麦栽培について

1.     土作り

前年の小麦の収穫が8月に近ずくころまで続き、終了しても休む間もなく来年の小麦の支度が始まります。

まずは畑の土作り

                『小麦は地力でとる』

この時から始めるのではなく小麦を栽培している畑とは別の畑で1年をかけてもう始めています。

小麦の畑とマメ科の植物を1年ごと交互に栽培しています。

小麦は連作障害が出にくいと聞きますがあくまで出にくいです。

経験上やはり年々収量が落ち病気も出やすく小麦も元気がないのでこの方法にしています。

1年の間に畑の様子を見て地力をあげる作業をします。

ph値をみて一袋15㎏の苦土石灰を何袋か散布したり(手作業です)、雑草は肥料になりますから大きくして裁断してまた大きくして裁断しての繰り返しをしたり、マメ科の緑肥を栽培して裁断して鋤きこんだりすることもあります。

そうした作業をしてからやっと肥料をまきます。もちろん手作業で。

以前、肥料屋さんに小麦の肥料に何を使ったらいいか相談したことがありましたが

      

      『小麦用に配合してあるいい肥料は無いね。有機肥料ならなおさらだよ』

と私が小麦栽培を始めた10年程前に言われました。

肥料屋さんは悪く言ったのではなく私のやりたいことを説明した上で、この言葉で優しくいってくれたのを覚えています。

             『自分で試行錯誤して分量を見つける』

なら私の理想の小麦の栽培出来る肥料の分量を見つけてやると生き込んだのですが、やはりうまくいきません。いくわけがないです。

肥料を与えすぎて大きく成長しすぎて雨風で倒れやすくなったり、少ないと小麦の粒が小さかったり成分が髙くなくパン作りが大変になったりと色々あって大変でした。

小麦が青い内に雨などで倒れたままにするとカビやすくなる為すぐに起こす必要があります。その時には隣の小麦の束と交互にして縛って起こします。

今まで何度もありました。

ある年は何か所の畑の合計で1反部(300坪)の規模の小麦が倒れ1日かけて泥だらけ、雨水に濡れながら起したこともありました。

しかしやっと、やっとです。分量が大体分かってきて自分の理想の栽培状態になってきました。

                『きれいに耕運する』

肥料を蒔いたあとはトラクターで耕運します。

雑草などの残渣が残っているとこの後出てきますが「種まきゴンベエ」を使っての種まきがうまく生きずらくなってしまうので期間を空けて綺麗に耕運して種蒔き準備完了です。

種まきの1週間前に画像の仕上げの状態にするようにしています。天候に左右されますが。

          

2. 種まき

 その年の気温、天候を考慮に入れて10月の下旬から11月の上旬に種まきを行います。         小麦の葉や穂を近くでみて気を配りたいので、撒き方は条まき。ばら撒きではありません。

管理機に種まきゴンベエを4つ付けて種まきしています。

最初は1条、次は2条、今は4条。

年々多くなって種蒔きする時間は短くなって楽になっていますがその分、機械が重くなって大変です。もう慣れましたけど。トラクターにつけて耕運しながら種まきする方法にしようか考えましたが、隅がやりにくい感じがして未だにやってません。

私がやり方を知らないだけだ毛かもしれませんが。この先、考えがまとまれば変えることはあります。

楽になるだろーなー。

            「条まきじゃあなくバラまきにすれば?」

私が条まきにしている理由はその後の管理のしやすさが大きいです。

小麦のアレロパシーで、ある程度の雑草は春、暖かくなっても小さい状態ですが例外がどこでもいますから大きくなる雑草がいるんです。小麦より大きくなる奴が。

ここで肥料の量がまた出てきます。窒素が多い肥料を入れすぎるといっぱい生えてくる雑草がいるんです。多分窒素です。あくまで経験ですが。

               「雑草取りは手作業で」

条まきにすれば条間に入っていけば雑草をとりやすいです。ばら撒きだと小麦をかき分けながら行くので倒してしまうことがあるので嫌なんです。何よりめんどくさい。作業は出来るだけ簡単にしないと。

後、倒伏したときに対処しやすくするため。隣の株と縛りやすいです。

小麦の種をまく量にもよりますが風邪通しをよくすることも考えて条まきにしています。

             「土の表面がある程度渇いた状態で種まき」

種をまくときは土の表面がある程度乾燥した状態で行っています。湿っていると機械についてやりづらく、乾燥しすぎていると鎮圧する意味がないような気がするし、発芽が遅れる感じがしてやめています。

一カ所に種をまく量も多すぎず少なすぎず、株間も狭すぎず広すぎず、深さも深すぎず浅すぎずです。

             

3. 麦踏み

 1回目の麦踏は12月末にしています。ただし本葉が3枚~4枚になっているのを見てから。

そのころになるとかなり寒くなってきますので必ず1回は麦踏みをしています。このころに成長が遅いと霜で浮き上がって枯れてしまったことがあったので播種時期がすごく大事。でも天候に左右されますが。

その後、年を越して毎月1回麦踏みをします。

麦踏みを行う目的は

 ①霜で根が浮き上がるのを防ぎ根ハリを良くする。

 ②茎や葉を折り太く強くして倒伏しないようにする。

 ③分蘖を促し収量を多くする。

 小麦は湿気に弱い穀物です。倒伏してしまうと致命的な病気になりやすい為、麦踏みは大事な工程です。

私は耕運機の後ろに麦踏みローラーをつけ更に足場に私が乗り麦踏みしていきます。

楽には楽なんですが冬なんで凄く寒いんです!!

息は白いし、手は冷たいし、顔も寒いし、足先は痛いし、風が吹いた時には寒すぎて笑いが出ますね。

麦踏みをするのも土の状態も重要です。

私は湿っているときにはやめています。なぜかと言うと麦踏ローラーに土がついてしまって作業がしづらいからです。足でやってもついてしまって重くなりまし。

 

4小麦開花雑草取り倒伏直し

麦踏みも終わり5月の上旬に入ると暖かくなり小麦から穂が出始めます。

そしてしばらくすると小麦の花が咲き始めます。(画像が無くてスミマセン)

見た感じ米の花と似ています。同じイネ科なので当たり前と言えば当たり前でしょうか。

 当店は除草剤を使いませんので背が高くなる雑草だけ手作業で除去します。

              「倒伏したら直します」

この時期が倒伏し始める時期です。気を付ける時期です。

穂が出て頭が重くなるので茎が細かったり肥料の入れすぎで育ち過ぎた株は特に要注意です。

その他、雨と強風が重なると倒れやすいです。こればっかりは自然のことなんであきらめるしかないです。

でもそれでも倒れないように色々工夫しています。被害は出来るだけ少なくです。

倒伏したら頑張って出来るだけ早く起こしてあげます。

              「小麦は元気?成長具合は」

このころになると小麦に成長具合に差が出てきます。

葉の色が濃い緑や黄緑、大きい株や小さい株、下葉や本葉枯れ具合と小麦の状態を見定めて追加でやる作業が出てきます。

追肥を散布したり(主に穂が出る前)株を除去したりと何か出てきます。

なので畑の見回りは種まき後、毎日しています。

5.収穫

 早ければ6月中旬頃、小麦が熟し畑が黄金色になったら、降雨に注意して小麦の粒がある程度乾燥した状態で収穫になります。

             「刈取りはバインダー」

主にバインダー(刈取り、結束)で行います。

前進しながら刈取りをしてある程度の量の束になったら紐で縛ってくれる便利な機械です。

機械のスピードに合わせ歩き1列づつ刈取り、曲がらない様に、刈取りミスに注意したり、

詰まりに注意したり、結束紐がまだあるか、燃料はまだあるか、色々注意しながら

刈り取っていきます。

この機械を使う理由もありバラマキ栽培は控えています。

                「脱穀はハーベスター」

 

結束した麦わらから玄麦(麦の粒)を脱穀する機械がハーベスター。

炎天下で汗をかき地面に置いてある小麦の幅を拾いながら一束、一束、焦らず、遅すぎず

いいタイミングで脱穀していきます。

早すぎると機械が詰まり動かなくなります。

脱穀が終わった玄麦は袋に入り一杯になると60㎏程の重さになります。

その袋を何袋も軽トラに載せ乾燥場所に移ります。

6. 乾燥

ハーベスターで脱穀が終わった小麦は袋のまま穀物乾燥機に並べて乾燥させます。

下は網状になっていて横のバーナーから熱風を送り乾燥する仕組みです。とてもレトロな機械ですが未だに現役。色々な穀物を乾燥させることが出来たり分解出来て使わなくなったら分解できるので便利な機械です。

小麦の乾燥具合は水分量12%以下にしています。これを怠り袋に入れ保管するとカビて使えなくなるので注意です。

一年分の小麦の収穫ですので量が多く乾燥が間に合わない時にはビニールハウスにブルーシートを敷いて乾燥させます。

6. 製粉

 製粉の前に玄麦の汚れと異物の除去を行い、その後、製粉機にかけます。

 小麦粉に熱が帯びない様に徐々に細かくしてふすまと分離していきます。

 小麦の種類によって製粉方法が違うため気を使います。

 製粉機だけで終わる場合や手篩を工程に入れたりするなど美味しい良い小麦粉にする為に毎回試行錯誤しています。

 当店の小麦粉はほのかに黄色を帯び、とても細かいフスマが混じっています。当店の小麦粉の個性です。

7.パン焼き

挽き立ての小麦粉を使いパンを焼きます。

カスタードクリームや餡も当日仕込みです。美味しいパンになるように毎回試行錯誤、工夫しています。

当店のパンは添加物を使用していない為、賞味期限がとても短くなっています。見た目は派手さが無いパンですが内容にこだわりをもって焼いています。